時計の真贋ポイントの一つに裏蓋の開封があげられます。
流石に裏蓋を開けた通常目につかないムーブメントまでは基準外の商品は作りこんでいないので簡単に真贋出来ます。
僕も真贋方法としてよく裏蓋を開けて確認しておりました。
だって確実ですので安心出来ます。
しかし開ける事でトラブルになる事もありました。
特にダイバーズウォッチは危険で開けた事で問題も多かったので注意が必要です。
ダイバーズウォッチを開ける事で起こったトラブル
見た目は通常のモデルとダーバーズウォッチに違いはそれ程ありません。

僕は防水性が300m以上あればダイバーズウォッチだと認識しておりました。
よく先輩にダイバーズウォッチは裏蓋を開けると防水性が下がると言われておりましたがトラブル実例もあまり聞かなかったのでそれ程、気にしていませんでした。
そんな中、買取り依頼でメンズJ12の持ち込みが!
ご存知の方も多いと思いますがこのシャネルのJ12はドレスウォッチに見えて意外にも200m防水が搭載された時計になります。
勿論その事を知ってはいましたが自分が開閉したことで何か変わるなど夢にも思っておりませんでした。
付属品も無く高額品でしたので早速裏蓋を開けて確認。

裏蓋はネジになっているのであっという間に蓋を閉めて完了。
お客様に査定金額を提示しましたが他にも回るという事で成約とはなりませんでした。
次の日、そのお客様から連絡が!
なんでも昨日の時計を付けたまま手を洗ったら水が中に入ったと言われました。
持ってきていただくと時計は水で内部は曇りひどい状態に。
お客様も非常にお怒りでした。
メーカーに時計を送り確認していただいた所、開けた形跡がありそこから水が入ったのではとピンポイントの指摘が。
修理代は当社で負担する事となりました。
ダイバーズウォッチは開けてはいけない?
ダイバーズウォッチは開けれても素人が空けてはいけません。
厳密にいうと開けてもいいけど蓋を閉める時は専門の資格をもった時計技師が行う必要があります。
でないと文字盤、裏蓋に表記された防水性は確保が出来なくなります。
今回は僕はダイバーズウォッチを防水性が300m以上ある物と認識して200m防水の時計を気軽に開閉してしまいました。

専門の時計技師に確認しましたがどうやら100m以上は危険と回答をいただきました。
ロレックスは基本的に100m防水以上です。
今まで本当に気軽に開閉しましたが思い出してみると防水性を保つ為、しっかりとゴムパッキンが噛ませてありました。
そんなゴムパッキンの位置など綿密に調整して裏蓋を閉めるのかもしれませんが結構今まで雑に扱っておりました。
ディープシーなんて3900m防水。
絶対開けたら気密性が損なわれるのは当たり前に感じました。
ダイバーズウォッチで内部を確認するには


少し買取りの手順を変更すれば問題ありません。
ポイント
真贋査定(裏蓋開ける)→金額提示→成約
ではなく
金額提示→真贋査定(裏蓋開ける)→成約
にする事で開けてからお客様に戻す事がなくなりリスクを減らす事が出来ます。
先にお客様に金額を納得していただき開ければお客様が持って帰る事は殆どありません。
勿論、裏蓋を開けずに査定出来るのが最も良い案ですが。
何よりいままで簡単に裏蓋を開けていた方は注意して下さい。
まとめ
最近では儲けに走る会社が多く、時計の電池交換などを全て自店で行うところも多くなってきました。
勿論皆様が資格をとり行っていると思いますがなかには素人同然のスタッフに高級時計の電池交換をさせている会社も多いです。
業者で防水チェックをしていただき電池交換をするのと自分達でやる電池交換なんてのは費用に500円の差もありません。
特にダイバーズウォッチは定価が高い時計も多いと思います。
取り扱いには注意するようにしましょう。
まただからといって一般的に防水性の低い時計もしっかりと開閉しないと故障の原因に繋がります。
必ずどんな時計でも裏蓋の中というのは時計の核部分を触る意識を持って取り扱って下さい。