(2020年2月8日更新)
ダイヤモンドの相場はプロが見るのも非常に困難な商材です。
一般的にはカラット(重量)が大きい物が高いというイメージはあると思いますがそれ以外の評価も大きくかかわります。
ですので一般の方が買取店で売ると足元を見られ安く買取りされる事が多い商品です。
今回はそんな難しい商品でもなるべく簡単に高く売る事が出来る方法を業者目線からお伝えさせていただければと思います。
Contents
ダイヤの評価は難しい!?鑑定士の気持ち
いきなり足元を見るなどという買取店が悪い書き方をしてしまいましたが厳密にいうと買取店もダイヤの評価が難しく不安なので安く提示をする事が多いです。
では何故ダイヤは評価が難しいのでしょうか?
それは肉眼で確認出来る評価が非常に細かく多くの経験がないと見分ける事が困難だからです。
一般的にはカラットというダイヤの大きさが評価の対象と思われている方も多いと思います。
しかしこのカラットというのは具体的に商品に刻印される事が多く誰が見ても一目で明確に分かる数値です。
ダイヤの評価はこの他にも
ポイント
「カラー」
「クラリティ」
「カット」
という評価を総合して買取り価格を算出します。
この3項目が非常に難しいです。
勿論、勉強をしたスタッフが買取りを行っている店舗なら問題ないかもしれません。
しかしこれだけ貴金属を買取りする店舗が増えダイヤなどの専門商品でも簡単に道具一つで検査出来る環境となり買取りにおけるハードルは下がっております。
そんな中でなんとなくダイヤを買取している店舗も多くあるのも事実です。
そんな店舗スタッフではこの難しいダイヤモンドの評価は殆ど出来ません。
そうなると買取りするスタッフも利益を残さなければいけないので安く買取り提示を行う事となります。
そういった理由もありダイヤの買取は期待外れになる事が多いと言われます。
ダイヤモンドを高く売る方法とは
ダイヤモンドを高く売る方法は沢山ありますが効果的な物を紹介させていただきます。
「そんなの知ってる」っていう事もあるかもしれませんが色々な状態、状況がある為様々な方法を紹介するので是非取り入れて行って下さい。
①:鑑定書を持っていく
これは当たり前の方法です。
鑑定書とはダイヤモンドにおいて評価の難しい4Cが明記された書類です。
こちらがついていれば買取価格は最大限評価していただけます。
ここで一つ注意点があります。
それは鑑定書の評価が著しく悪い場合。それは素直にその鑑定書を持っていくと厳しい査定がされてしまいます。
肉眼で見て綺麗でもやたら鑑定書の評価が悪い場合があります。
例えばカラーグレードでいえば「K」以下。クラリティフレードは「SI3」以下。カットは「Fair」以下。こちらは悪い評価に該当してきます。
特にその他項目に「レーザードリルホール」などの記載があればまず提示はしない方が良いです。
レーザードリルホールとは
簡単にいうとダイヤモンド内にある汚れを穴を開けて漂白する作業です。
これは一見するとダイヤモンドを綺麗に見せる方法となりますので鑑定士が見落とす可能性もあります。
そんな場合はまず鑑定書を出さずに査定してもらいましょう。
意外と鑑定書以上の評価をつけてくれる事があります。
査定後、実は鑑定書がありますと再提示すればOK。
値段を高く伝え過ぎていても下げる事は出来ませんし更に上がる事も考えられます。
意外と効果的な方法です。

鑑定書を無くした。捨てたなど手元にない場合は鑑定書を再度作ってしまえいいです。
この鑑定書には発行機関によって信用度が変わります。
全く無名の宝石店、鑑定機関で発行した鑑定書は正直価値はありません。
だって紙切れ一枚に評価を載せるだけです。
まったく鑑定出来ない人が作る事も可能になります。
僕も買取りをさせていただく中で数多く聞いた事もない鑑定書を見させていただきました。
なかには3グレードぐらい評価が変わる適当な会社も・・・
なんでもかんでも鑑定書をしっかり評価して買取りは出来ません。
ココがおすすめ
ここで僕がおすすめする鑑定機関は「中央宝石研究所」です。
ここの鑑定書であれば記載される内容を買取店では最大限に評価してくれるでしょう。
②ソーティングをとる
鑑定書があれば問題ないですが頂き物や古い物だと鑑定書を無くす方が多いです。
そんな方にはソーティングを取る事をオススメします。
ソーティングとは
鑑定書よりも簡単にダイヤモンドの4Cの評価をとれるサービスです。
業者はダイヤの評価をとる際、よくこのソーティングをとります。
ソーティングは鑑定書作成よりも安く2~3,000円程で作る事が可能です。
この作業を惜しむだけで何万円も買取が安くなる可能性があるので必ずとりましょう。
ソーティングを作るには宝石鑑別機関に預ける必要があります。
僕はその中でも中央宝石研究所でソーティングをとる事が多いです。
信頼出来るところで取得しないとすり替えや石に傷がつけられる事があります。
必ず有名な所で取得するようにしましょう。
鑑定書、ソーティングはどうやって作るの?
郵送などで各社対応している所も多いですが上記でも書かせていただいた信用出来る鑑定機関でなければ評価するだけ無駄です。
それどころか送ったら音信不通や石のすり替えなどリスクは高いのでオススメはしません。
僕が利用するのは中央宝石研究所ですがここは業者じゃなくても一般の方も作成可能なのでオススメ。
郵送はやっておりません。最寄り店舗にお持ち込み下さい。
大体1~2週間で完成します。
結構簡単に誰でも作れるのでオススメです。
ソーティングをとる時の注意点
ソーティングをとる時はダイヤモンドだけ取り外しておいたほうが良いです。
誰でも簡単にとれる縦爪リングなどでも取り外し費用をとられます。
それどころか何もいわないと再度取り付けを行いその費用まで加算される始末
鑑定書を作った方が安くすんじゃいます。
複雑でなければ自分でとって持ち込みましょう。
自分でとるのが理想ですが傷がつくリスクがあるのも事実です。深く埋め込まれたダイヤなどは無理せず業者に外してもらいましょう。
③ダイヤモンドを綺麗にする
ダイヤモンドは変色などしません。
しかし親油性といってあぶらとの相性が良いため、長期間メンテナンスをしないと指先からの油などが付着して汚れます。ホコリなどもつくと驚くほど輝きを失います。
食器を洗う中性洗剤と歯ブラシで磨けば汚れは落ちてとても綺麗に輝きます。
しかし買取店ではそれを分かっていてもそこまでしてくれるスタッフは稀です。
というのも洗浄中に石がとれるリスクがあります。
後で綺麗になれば儲けものという考えで今の汚れた石で評価をする事があります。
面倒かもしれませんが必ず持ち込む前にご自身で洗浄するようにしましょう。
「ちなみに洗浄する際の注意点」
細かな石はとくにですがセッティングが緩んでガタついている物が多いです。
まずはガタツキが無いかしっかりと確認してから洗浄しないと洗ったら石が1個無くなったなんて事も。
必ず確認して下さい。
④メレダイヤモンドの価値を知る
メレダイヤモンドとは何かご存知でしょうか?
メレダイヤとは
主石といわれるメインストーンの周りに取り付けられる細かな石です。
よく買取店にもっていくと「細かい石は評価出来ません。価値が無いです。」と言われますがあれは嘘です。
確かに0.01カラットの石一個の値段を見て下さいというのは難しいですがまとめて細かなダイヤがついていれば買取が可能です。
合計で1カラットもあれば状態によって値段は変わりますが5,000~10,000円程つきます。
ダイヤモンドのカラット数などは基本的に打刻してありますので必ずルーペで確認するようにしましょう。
⑤必ず合見積もりをとる
これはダイヤモンドだけでなく全ての商材に言える事ですが必ずとるようにして下さい。
ただ闇雲に色々な店をまわるのも時間がかかる。なのでオススメする店舗の特徴を紹介します。
「GIA・GGの資格保有者がいる店」
GIA・GGとは米国宝石学協会(GIA)が主催している、GG(Graduate Gemologist)の資格取得を表します。
この資格は非常に取得が難しくテストなどではダイヤモンドの4C評価は勿論、宝石の鑑別も行います。
これほどの資格所有者が配属される店舗にはそれを謳ってありますのでそのような店で見積もりをしてもらいましょう。
個人的には宝石をしっかり見れる鑑定士がいない方が間違えて高値で買取してくれたりするのではと当時思っていました。
しかし間違えたらそれなりのペナルティーがあるものを頑張って見積もりするでしょうか?
僕は出来ませんでした。
つまり見れる方は最終どれだけの値段で売れるのかが分かるので限界まで価格提示をしてくれる方が多い印象です。
特にこのような方々に相見積をとっている事をしっかりと伝えれば足元を見るよりも限界まで提示してくれる確率は格段に上がります。
「宝石をメインで買取している店」
買取り、販売の広告が宝石・ジュエリーに特化している店は買取価格が高い印象です。
「全て何でも買取をします!」を売りにしている会社は全て安い印象です。
特化した物が無い店には専門の鑑定士がいない事も多いです。
宝石専門の買取店が無かったにしてもせめてリサイクショップよりは主に高額な商品を買取している店を選びましょう。
オススメ出来ない査定
ここまでは高く買取をしていただく方法について解説しましたが逆に査定に出しても有益でない事も紹介します。
①LINE査定
最近ではLINEの査定も増えて利用した事がある人も多いのでは無いでしょうか?
僕も何度も大手で利用した事があります。
しかしLINE査定はおおよその価値を知るには最高のツールですがいざ高く売るのには適していません。
理由としては簡単です。
必ず説明書きにありますが「最終の買取価格は現物を見てから」
この一言で全て買取店は逃げる事が出来ます。
つまり査定に出しても幅を持って回答されます。
「30,000~50,000円です。」
実際この評価をされて何度も足を運びましたが50,000円になった事は少ないです。
特に50,000円以上には基本なりません。
この価格差で提示して来店してくれたなら上限以上出さなくても買えるだろうと僕たち鑑定士は思います。
もしLINE査定に出されてもその結果は伏せて買取店に持ち込むなら有りだと思います。
これ以上の評価がされれば黙っていれば良いし以下ならLINE査定と違うと言えばいいです。
少しズルい気もしますが僕ら鑑定士はよくされます(;'∀')
またLINE査定、電話査定は楽なんですが鑑定士としては金額訂正がどれだけでも出来てしまうので面倒かもしれませんが実際持ち込むようにしましょう。
②鑑定書が無くても有っても変わらないという店

確かに鑑定書が無くても有る時と同じ査定が出来ると言われるととても安心出来ます。
しかし上記でも説明しましたがダイヤモンドの4Cを評価するのは非常に難しく並大抵の鑑定士では行う事が出来ません。
鑑定書が無くても価格が変わらないと誇張する買取店はとても危険だと思います。
必ず「あったほうが良いけれども頑張ります」みたいな買取店を選ぶようにしましょう。
良い店の見分け方
これは僕の経験ですが良い店には良い鑑定士がいます。
ここで言う良い鑑定士とは決して鑑定眼が優れているという事ではありません。
お客様目線で考えてくれる鑑定士がいるかという点です。
鑑定士は殆ど雇われが多く店によっては買取成約額や利益のノルマがある会社が存在します。
そうなるとどうしてもお客様を騙して利益をとらなければいけません。
しかし良い鑑定士はお客様のメリットを考える接客が出来ます。
そういった接客が出来る鑑定士がいる店は会社自体がそれほど良い業務状況である為、利益をお客様に還元する事が出来ます。
ここではそんな良い鑑定士を見抜く方法を紹介します。
①付属品などをとりに行かせない
「実は鑑定書を忘れてしまって・・・」
この一言のあとの対応で良い鑑定士を見抜けます。
「自宅にあればそちらをお持ちしていただいた方が高くなります。」
この一言を言ってくれる鑑定士は良い人が多いです。
持ち込みがあり査定までするならそこで買取してしまいたいのが鑑定士の心情です。
一度帰ったら他店舗に行かれたりそもそも売ってくれないかもしれません。
ですので悪い鑑定士は「鑑定書があっても変わらないかもしれませんよ」とその場での成約を求めます。
それでも帰るといったら態度が悪くなるなんてもっての他です。
一度試してみて下さい。
②断った際の値上げ幅
買取り査定後の話し合いのなかで価格交渉があった場合、どれだけ価格が上がるかも良い店を見抜く重要なポイントです。
「価格が大きく上がった。なんて良い店だ。」って普通思ってしまいますが大きな価格UPは良い店ではありません。
本当に良い店は一度提示した金額から上げても少しです。
大きく上げれるという事は初めにとても安く提示しているという事です。
これで売っていただければラッキーそんな考えで安く提示しています。
僕の知っている店には詐欺のような価格で提示して持ち帰りを希望すると何倍もの金額をUPするような店があります。
そしてその時の言い訳が「型番を見間違えておりました・・・」
本当に怖いですよね。
金額が上がれば嬉しい気持ちは分かりますがありえない価格UPは良い店とは言えません。
僕が体験した高く買取してしまった実例
そんな厳しい査定がされやすい僕が高くダイヤモンドを買取してしまった実例をご紹介させていただきます。
全てが適用出来るか分かりませんが参考にして下さい。
①ダイヤモンドに詳しい
とてもダイヤモンドに詳しい雰囲気で来られるとふざけた値段は言えないと頑張って提示してしまいます。
4Cの見方や専門用語(テーブル、パビリオン等)を使い「私知ってます」って雰囲気を出すのは重要かもしれません。
注意して欲しいのは自慢気に話すのはあまり良い印象を受けません。僕も面倒な自慢をされる方は他へどうぞになってしまいます。
鑑定士がそう思ったら高い価格は提示されませんので注意して下さい。
②他店の見積書を持ち込む
他店の見積書は最強の武器です。
これを見せられるとこの価格より頑張ろうではなく、この価格までならこの競合店が買取りしてくれるという安心感から高く提示してしまいます。
貰える見積もりは貰いましょう。知人に買取店に勤めている方がみえればなお心強いです。
また上記査定であんまり良くないと紹介したLINE査定もここでは最強ツール。
その見積もりを見せるとそれ以上見てくれる会社も多いと思います。
③超絶人気アイテムと持ち込む
これが一番多いです。
例えばロレックスのデイトナなどの買取店が喉から手が出るほど欲しい商品と持ちまれるとそちらが欲しいので張り切って伝えます。
そこでデイトナだけ持ち帰る。何度やられた手法でもそれならダイヤモンドを安くします。そんな事言えません。
単価が高い時計などは効果的です。
多少ダイヤモンドを高く買取してしまっても時計に金額を振り分ければ良いや程度で提示してしまいます。
これに似た商法でバックボーンに買取出来そうな物をチラつかせるのも有効的です。
「他にも自宅に沢山あるよ」
まあ殆ど嘘なのであまり期待しませんが少し高くなるのは事実です。
まとめ
ダイヤを売るときはこの一手間がとっても重要です。
僕も買取りでまったく評価が分からないダイヤは比較的安い提示をしています。
簡単に評価結果はとることが出来るので是非皆様とるようにして下さい。
この評価が有ると無いとでは何万も買取価格が変わるんです。

お客様によく言われますが本当に見分けのつかない宝石も多数あります。
今後はダイヤの合成石も日本に輸入されますので慎重に査定する買取店も増えます。
だからこそこの評価結果をもって買取店が安心して査定金額を提示出来る状況を作りましょう。