ロレックスのスポーツモデルの中古価格高騰がとまりません。
旧5桁リファレンスは生産が既にとまっているので高騰理由は分かりますが現行モデルも日々価格は上がっております。
2019年9月には6桁リファレンスが相場が下落しはじめ店頭に並ぶ日も近いのではないでしょうか?
本日はそんな高騰中のスポーツモデル「14270・114270 エクスプローラー1」について記事を書かせていただきます。
この2本の違いが分からず購入で悩まれる方も多いです。
本記事では新旧の違いとモデルごとのメリット、デメリットについて紹介します。
購入の参考になれば幸いです。
Contents
ROLEX 14270 114270 エクスプローラー1とは
ロレックスのスポーツモデルを人気にさせた立役者でもありシンプルなデザインゆえ若い方からご年配の方まで虜にする3針ステンレスモデルです。
エクスプローラー1が誕生したのは1953年。
ロレックスと言えば宝飾性の高い高級ウォッチを想像される方も多いと思います。
しかしこちらのモデルは探検家という意味がモデル名になっているようにカジュアルシーンで活躍するモデルです。
探検家エドモンド・ヒラリー卿とテンジン・ノルゲイが人類初めてエベレストの登頂という偉業をロレックスが称え探検家の為の時計を開発したと言われております。
1953年にRef6350から始まり進化改良が行われ14270は1990年に誕生して114270にモデルチェンジするまで約10年製造されておりました。
14270の前型1016は三代目エクスプローラーとしてロングセールされたヒット作でした。
1016は既にヴィンテージウォッチとして不動の人気があり高値で取引されております。
1016に比べ14270はより現代のモデルに近いモデルと言えます。
特にこのモデルから風防はサファイアクリスタルとなり114270とは見た目、作りにおいてそれ程差異は無くよく違いが分からず聞かれる事が多いです。
【エクスプローラー1】14270と114270の違い
年式で分かる違い
1990年~2000年頃まで製造された14270
2001年~2010年まで製造された114270
2モデルの違いについて説明させていただきます。
ケース径は36mmとなり正直違いを探すのは難しいです。
簡単に見分けれるポイントをいくつかご紹介させていただきます。
ポイント①:ブレスレットフラッシュフィットの作り
ケースとブレスレットを繋ぐポイント「フラッシュフィット」部分を見て下さい。
フラッシュフィットとは
ブレスレットとケースを繋ぐパーツを指します。
略称としてFFなど表記される事もあります。一般的な時計パーツの名称ではないのでロレックスだけで通用する言葉と思って下さい。
フラッシュフィットの繋ぎ目がなく一体になっているのが114270。
繋ぎ目があるのが14270になります。
この部分は一体型のほうが汚れなども溜まりにくく耐久性に富んでおります。
※ベルトを変更してしますと分からなくなってしまうので注意が必要です。
ポイント②:内部キャリバーの違い
内部のムーブメントの種類が変わりました。
14270はキャリバー3000を使用。114270はキャリバー3130を使用しております。
何が違うのか・・・正直外観からの違いは分かりませんw
振動数は同じ28,800。
専門的な部分でお伝えさせていただきますとキャリバー3130はテンプ受けがシングルからダブルブリッジに変更された兼ね合いで耐久性が向上しました。
裏蓋を開ける事で違いははっきりと分かりますがなかなかこの違いに気づかれる方は少ないです。
ポイント③:風防6時位置の王冠マーク
2000年頃からロレックス社は模造品防止の為、サファイアクリスタルの風防6時位置に王冠マークをレーザー刻印する「王冠透かし」という加工を開始しました。
2000年以降に製造されている114270には原則入っております。
※2000年以降にロレックスにてガラス交換をしていると王冠透かしが入ったものに変更されます。またオリジナルの王冠透かし入りの風防は高額ですので114270で風防に傷が入ったものを社外の風防に変更されている方も多いです。一概に風防の有無で判断は出来ません。
ポイント④:ルーレット刻印の有無
ロレックスはマイナーチェンジとして2007年頃からインナーサークルにROLEXの刻印を施した通称「ルーレット刻印」を行うようになりました。
こちらにつきましては確認が出来た段階で2007年以降の製造が確認されるので114270が確定します。
※ケースサイズは違いますが2010年以降に製造された214270はルーレット刻印あるエクスプローラーⅠになります。間違えないように注意が必要です。
14270のレアダイヤル「ブラックアウト」
14270 エクスプローラーⅠにはレアダイヤルが存在します。
E番、X番つまり1990年~1991年頃に製造されたモデルの中で少ない数ではありますが「ブラックアウト」と言われる個体が確認されております。
通常14270の文字盤はインデックスの「3・6・9」に白エナメルの塗料が施されております。
しかしこのブラックアウトという個体はこのインデックスの数字に黒の塗料が使われております。(塗料無しのシルバーインデックスのみもブラックアウトに含まれます)
通常の14270に比べ締りがあり男らしい無骨なデザインはレアモデルとして非常に人気で中古販売価格もギャラがついていると200万を超えて販売されております。
とにかくカッコイイ個体なのでお手元に14270を所有される方は必ずご自身のエクスプローラーⅠがブラックアウトでないか確認をして下さい。
ブラックアウトの記事はこちらでまとめておりますので是非読んで下さい。
【ロレックスのエクスプローラー1】14270のレアモデル「ブラックアウト」「シルバーレター」の解説!まだまだ価格高騰中!!
14270は夜光、バックルが2パターン展開
14270には同じモデルですが製造された年数によって夜光の種類、バックルの種類が2種類確認されております。
夜光の種類
トリチウムとルミノバが確認されております。1990年前半の個体であればトリチウムが使用されておりますが近年のヴィンテージブームによりオールトリチウムの個体は希少性が高まっております。
注意点はロレックスでメンテンンスに出された際に針に劣化が見受けられるとルミノバの針に変更されてしまう点です。
長針はトリチウムだけど短針はルミノバなど相違があると買取価格は下がってしまいますので注意が必要です。
夜光の見分け方はこちらの記事で確認してみて下さい!
バックルの種類
シングルとダブルが確認されております。
1990年代前半であればシングルバックルになりますがこちらも夜光と同じ理由でヴィンテージ感が増すのであえて安っぽいシングルバックルが人気です。
ダブルロックのほうが誤って落とす心配なども減り機能面では素晴らしいですが114270と同じバックルになってしまうのでシングルに比べると不人気となります。
14270はセミヴィンテージとしてのポジションとしてあえて古い個体の方が人気が強い傾向にあります。
中古で個体を探す際はギャラ有りのシングル、トリチウムの良い個体を購入したほうが今後の資産価値は高い物となります。
個人的なエクスプローラー1の感想
色々と書かせていただきましたが14270のエクスプローラーⅠはとにかくシンプルで使いやすい時計です。
ステンレススチールで派手過ぎず参考定価からいっても嫌味の無い時計です。
※現在は中古相場の高騰から価格だけでいうと高額ウォッチに含まれてしまいます。
特にこの14270も含めロレックスのスポーツモデルに人気の火をつけたのが国民的アイドル「木村拓哉」氏の効果も大きいのではないでしょうか。
木村さんが着用したものは何でも品薄になるのが常ですがエクスプローラーⅠもそのうちの一つです。
着用されたのは1997年に放送されていた月9「ラブジェネレーション」です。
このドラマの中で着用され日本中でエクスプローラーⅠが品薄、価格高騰が起こりました。
当時、これがきっかけでロレックスが好きになったという方も多いのではないでしょうか?
驚きなのがこのドラマで使用されたエクスプローラーⅠは木村さんの私物だったそうです。
つまりご自身で良い時計として注目されて使用されていたという着眼点にも驚かされる逸話になります。
そんな歴史ある14270は今では製造されていた当時から約30年が経過しようとしております。
既にコレクターの中には「セミヴィンテージ」として良い個体は高値で取引されております。
前型1016は中古販売価格が140万前後で販売されておりますので近い未来そんな価格になる事が予想される時計です。
昨今のデカ厚ブームに反した少し小さめケースの時計です。
実はこの36mmのケース径ぐらいが日本人の体格にマッチするサイズ感となっております。
ビジネスにおいてデイト表示が無いのは・・・と言われる方が多いですが複数自動巻時計を所有されている方はいちいち日付調整するのは面倒です。
シンプルでシーンを選ばず使える所も人気のポイント。年齢問わず使える時計で様々な方が使用しております。
個人的にはエクスプローラーはガシガシ使われた使用感ある状態の物をNATOベルトに変更して使われるのがオシャレだと思います。綺麗な状態ではあえて無い方がカッコイイかもしれません。
どちらがオススメ?【メリット・デメリット】
ここまでの内容でエクスプローラー1「14270」と「114270」の違いや良さを知っていただけたと思います。
では実際購入するならどちらが良いか?個人の主観ですがメリット・デメリットをふまえてまとめました。
結論・・・僕は14270をオススメします。
この少しチープな作りとヴィンテージな作りが相まったシルエットは芸術品です。
またギャラが付属した14270の相場が10年後どれだけ高騰するかも楽しみです。

つまりこれから紹介する各モデルのメリット・デメリットを見ていただき自分の好きなモデルを購入していただけたらと思います。
14270
メリット:ヴィンテージ感を楽しめる(トリチウムやシングルバックル)。
デメリット:実用性は114270に劣る。
114270
メリット:高年式仕様が楽しめる(王冠透かし、ルーレット刻印)。内部ムーブメントのスペックも高い。
デメリット:相場の伸びしろは14270に劣る。
大きなメリット・デメリットは無いけどあえて出すならこんな所です。
要約
ヴィンテージ派の時計の歴史を感じたいなら14270。
高年式派のロレックスのスペックを体感したいなら114270です。
貴方はどちらのモデルが好きでしょうか?
最後に
エクスプローラーⅠは自動巻の基本を押さえた入門編でありながら玄人からも好かれるオールマイティなモデルです。
私がこの業界に入ったばかりは大型ケースのモデルが人気ど真ん中で14270は小さく華のない時計と全く注目しておりませんでした。
しかし人生経験を重ね色々な時計を見る中でこの時計の素晴らしさに気づけたと思います。
スーツ、カジュアルどんな服装にもあわせやすくカッコイイ!
今では中古相場が高騰して簡単には手に入りにくくなってしまいましたがまだまだサラリーマンでもギリギリ購入出来る中古相場だと思います。
特に14270は今後より良い個体は無くなると思います。
是非気にされている方は早めに検討される事をお勧めします。
これだけ素敵な時計ですが購入するとなると高額です。
新型エクスプローラー1の「214270」の新旧についてもこちらの記事でまとめております。興味のある方は是非ご覧ください。