時計は使えば使うほど経年劣化が出て傷が増えるので一般的には価値が下がります。
時計だけでなくバッグ、財布、ジュエリーも基本的には使用して年月が経てば価値は下がります。
そんな常識を覆すのがヴィンテージの時計です。
何十年も使用される事で時計のケースはやせ細り針の腐食やベルトの伸びなどが出ますがそれが時計の歴史を感じると評価され当時の定価から3倍も4倍もの中古価格設定がされ販売されています。
ここまでくると時計というよりは芸術品の扱いですね。
そんなヴィンテージ加工が最近は注目され時計作りに取り入れられております。
本記事で紹介させていただきたい時計はヴィンテージ加工を売りにしているモデル「ヘリテージブラックベイ・ダーク」です。
チューダーが販売しているモデルでまだ2016年に発表された高年式モデルです。
是非購入を検討されている方の参考になれば幸いです。
Contents
TUDOR【チューダー】 79230DK ヘリテージブラックベイ・ダークとは
2016年に発売されたヘリテージブラックベイの新モデルです。
79230NにブラックPVD加工を施したオールブラックモデルで今まで以上に男らしさ、クールな雰囲気をまとったオシャレな1本となっております。
PVD加工とは
英語でフィジカル・ヴェーパー・ディポジションの意味があり物理蒸着とも言われます。
表面に特殊な加工で固い薄膜をつくり材質の上にコーティングを行う金属技術です。オールブラックのモデルなどにはよく行われる加工になります。
前モデルの79220にデザインが非常に酷似しておりますがブランドロゴであるバラのマークが盾に変わったり文字盤にクロノメーターの表記が加わりました。
新キャリバーMT5652を採用しており通常の一部6桁ロレックスのパワーリザーブより長い70時間可動を実現させた多機能ウォッチです。
もともとダイバーズウォッチという事もあり防水性能は200mあります。
このスペックを見ると既にチューダーはロレックスの引き立て役ではなく一つのブランドとしての地位を確立する事が出来ているといっても過言ではないでしょう。
定価はロレックスほどの価格もしないため購入しやすく中古で30万円台で購入が可能です。
オールブラック、ケース径は41mmと最近のデザインとなっており若い方からの支持率も高い時計です。
ヘリテージブラックベイ・ダークのヴィンテージな作り
こちらの時計は作りのいたるところにヴィンテージな加工を盛り込んだモデルとなっております。
そんな作りが時計の歴史を感じてかっこいい。コアな時計ファンの心も射止めているモデルです。
ヴィンテージな作り①:ビッグクラウン
リューズガードが無く大き目なリューズを搭載したシルエットはヴィンテージチュードル7924を連想させる作りとなっております。
文字盤のバラロゴは盾に仕様変更されてしまいましたがリューズ部分に大きなバラが刻印されています。
僕はチューダーのロゴはバラが好きでしたので嬉しいポイントの一つです。
見た目はヴィンテージ仕様となっておりますがリューズが大きくリューズガードが無いととても操作性は高くて使い勝手が良いです。
リューズガードが無い分、外部の衝撃に弱いので注意が必要です。
ヴィンテージな作り②:レッドトップベゼル
ベゼルの12時部分だけ赤くなっているベゼルをレッドトップベゼルと言います。
ロレックスのサブマリーナに採用されていた作りですがボンドモデルと呼ばれた「6538」に見られた作りです。
製造されていたのは1950年頃~60年頃と非常に古いモデルです。
ヘリテージブラックベイにはこの作りを取り入れた仕様になっております。
ただこのベゼルにおける赤色は地上では視認性が高く良いデザインとされておりましたが水中では赤色は視認性が低くダイバーズモデルの時計には向いていないという事でサブマリーナのベゼルに使われる事は無くなりました。

200m防水なのでたしかにダイビングも可能ですが・・・
あまり視認性についてはオススメしません。というかあまり水中では使用されないと思いますのでオマケ程度に知っていて下さい。
ヴィンテージな作り③:丸みある風防
こちらのヘリテージブラックベイは風防は最近のモデルなのでサファイアクリスタルを使用しております。
この風防のデザインにもヴィンテージな仕様を取り入れております。
真っすぐ見ると分かりにくいですがサイドから見てみると分かりやすいです。
風防が湾曲してドーム型になっているのが分かるでしょうか?
昔は風防にはプラスチックが使われる事が殆どでした。
プラスチックの風防は割れやすい性質がある為、ドーム型にする事が一般的です。
そんな形状をあえて取り入れる事でヴィンテージな雰囲気を出しております。
ヴィンテージな作り④:文字盤の赤文字
ヘリテージブラックベイには文字盤の防水性能部分が赤文字となっております。
ヴィンテージロレックスのサブマリーナ、シードゥエラーには赤文字のレアモデルが存在します。
よく聞く赤サブや赤シードですね。
最近のモデルでは赤文字のモデルが発表され希少、ヴィンテージの印象が弱くなりましたがまだまだ赤文字=ヴィンテージのイメージは強いです。
このワンポイントの赤文字はそんなヴィンテージの雰囲気が出ております。

ヴィンテージな作り⑤:ベルトの作り
こちらのモデルはステンレスのタイプとレザーのタイプが販売されております。
ベルトがヴィンテージっぽい加工がされて販売されているのはレザーのほうです。
はじめ見た時は痛んでいるのか?と疑問にも思いましたがはじめからそういった加工をされているデザインです。
最近ではパネライなんかもヴィンテージデザインのモデルを販売していますがベルトがこのような時計は珍しくありません。
よりヴィンテージ感を楽しめるポイントとなっております。
ヘリテージブラックベイ・ダークは傷がメリット?
この時計はPVD加工がされていますので研磨による傷落としを行う事が出来ません。
僕はこのように付いた傷が取れないと断定される時計の素材が苦手です。
というよりは使いにくいと思ってしまいます。
しかし今回紹介させていただいたヘリテージブラックベイは違います。
このモデルは初めからヴィンテージな加工を売りにしている時計でもあります。
通常時計の傷はマイナスでしか見られません。
しかしヴィンテージウォッチは傷が当たり前で傷を楽しむ傾向があります。
ですのでこのモデルは使用しても傷がついて大きなマイナスどころかよりヴィンテージ感が増すのでメリットになる事も考えられる不思議なモデルです。
しかし注意が必要なのは傷なら何でも良い訳ではありません。
自分で使用して多くの傷を残す事で時計との思いでとなりより時計に愛着が湧きプラスになるという意味合いで書かせていただいております。
だれが付けたか分からない傷が多くあったほうが中古でも高いのでは?と勘違いされる方も見えると思いますが違いますのでご注意下さい。
あくまで自分で使う上でメリットになるという事です。
※完全個人の主観が入っております。美品が好きな方は大切に取り扱って下さい。
まとめ
チューダーのヘリテージブラックベイの内容はいかがでしたでしょうか?
傷がメリットになる可能性がある時計ですので末永くご愛用出来る時計ではないかと思います。
ヴィンテージの時計は最近ですと若い方にも需要が高く今注目されているジャンルの一つでもあります。
本物のヴィンテージウォッチは中古でも100万円を超える個体も多くビギナーには手が出しにくいです。
是非、こんなヴィンテージウォッチ風の物で試しながら本物に挑戦していただければと思います。
チュードルからチューダーに変わってまだ歴史は浅いですがこれからますます新しいモデルが発表される楽しみなブランドです。