昨今のヴィンテージブームで人気が高騰しているトリチウム文字盤ですが皆さんはお好きでしょうか?
僕はこのヴィンテージ感が漂うトリチウム文字盤が大好きです。
特にスポーツモデルのトリチウム文字盤はより使い込まれた大人の時計という感じがあってとてもカッコイイです。
今までトリチウム文字盤は一部のコアなロレックスマニアの方々に愛されておりましたが最近では時計ビギナーの若者からも支持を得て品薄になっております。
そんなトリチウム文字盤ですが見分けるには少しコツが必要でもあります。
今回は誰でも文字盤の種類を見分けれる方法をお伝えさせていただきます。これをきっかけにトリチウム文字盤の時計デビューをしてみてはいかがでしょうか?
トリチウム文字盤とは
発光塗料である「トリチウム」を使用した文字盤をさします。このトリチウムという発光塗料は以前は時計に多く使用されたポピュラーな材質です。
年数としては1960年~1999年頃まで使用されており今でも中古市場ではこの文字盤の個体は多く見受けられます。
トリチウムは優れた発光塗料でありますが発光する期間が約12年と短く現在中古で販売されているロレックスのトリチウム文字盤は殆ど光る事はありません。
このトリチウムの発光塗料は年数経過に伴い変色する事でも有名です。この変色もユーザーから支持されております。

確かに一般的には変色はマイナスのイメージが強いです。しかし時計でのこの白からクリーム色への変色はヴィンテージの価値を高め時計好きからは好まれております。
現在はこのトリチウムの材質は微小ながら人体に悪影響がある素材として使用される事はなくなりました。時計として使用するのは全く影響がありませんのでご安心下さい。
トリチウムか見分ける3つのポイント
トリチウムかルミノバか見分ける方法はとても簡単です。このポイントを抑えていればどなたでも簡単に文字盤の種類を見分ける事が可能なので参考にしていただければ幸いです。
ポイント①:文字盤の記載
ロレックスの文字盤には発光塗料が何が使用されているか記載が施されております。
文字盤の6時側のインデックを見て下さい。「T」「Tく25」などの表記があればトリチウムの文字盤です。
逆に「SWISS MADE」だけの表記であればルミノバの文字盤になります。
このポイントは一目で分かる重要なポイントです。

確かにこの表記だけで発光塗料に何が使用されているか分かります。しかしこのポイントだけ過信するのは非常に危険です。
それはパーツの交換がされている可能性があるからです。
トリチウムで製造された時計が何かのきっかけで針、文字盤などが破損した場合、ロレックスで修理をすると新しいタイプのパーツに交換をされます。
針だけ折れたりすれば針だけルミノバとなりとても違和感あるモデルになります。勿論そのようなバラバラなパーツを使用されたモデルは価値が下がる傾向です。
ポイント②以下につきましてはそんな替えられたパーツが無いか見分けるポイントで有る事を念頭に読んでいただきたいです。
ポイント②:ブラックライトの反応
これもとても分かりやすい反応が見られます。特に一部変更されたパーツなどを見抜く方法としては最適です。
時計文字盤にブラックライトを当てると発光塗料が反応します。
ルミノバ、トリチウムどちらにも反応が見られますが発光の仕方に違いがあります。
ルミノバであればブラックライトに非常に強い反応があります。色はどちらかというと青色に近い発光をします。
トリチウムであれば反応は弱いです。個体によっては殆ど光らない物もあります。色はエメラルドグリーンに近い発光をします。
全体的に光を当てる事で一部パーツが変更されていると光る色が違うのですぐに分かります。
またブラックライトを当てた後の暗闇での光り方を確認するのも有効的です。
ルミノバは蓄光が強く長い時間暗闇でも光りますが現状のトリチウムは蓄光の力は弱くなっており非常に弱い光になります。
こちらは同じようにブラックライトを当てて暗所に持ち込んだ画像です。分かるでしょうか?
左がルミノバ、右がトリチウムです。数分置いておいた画像ですがやはりルミノバのほうが一目で発光している事が分かると思います。
ポイント③:インデックスの変色
こちらは熟練の目利きが無いと分かりにくいポイントになります。
トリチウムはルミノバに比べ経年における変色が出やすいです。個体差もありますがこの変色が綺麗に満遍なく起こると美しい個体として相場が高騰します。
変色の仕方はクリーム系のカラーになります。
この変色を一般的には「ヤケ」と表現する事が多いです。
このヤケは秒針など動きが多い針の方が出にくく長針、短針などと同じ色の変色をした個体は人気が高いです。
この特殊なヤケが出ていれば「トリチウム」の可能性は高いです。

これは下がトリチウムです。見比べていただくとうっすら変色しているのが分かると思います。
こちらは変色が少なく一般的にはより大きく変色しておりますので分かりやすいと思います。
しかし最近のパネライなどはあえてヴィンテージカラーのルミノバの発光塗料を採用しているメーカーも多いです。
一概にヤケのあるインデックスが全てトリチウムではありませんので注意が必要です。
市場での今後のトリチウムの価値は
今後はよりトリチウムの個体の相場は高騰する事が予想されます。
というのも上記で記載させていただいた通り現在修理が必要となり日本ロレックスでメンテナンスをすると不良パーツは現行の物と交換されてしまいます。
トリチウムの経年劣化は変色のあとはひび割れてしまう物も多く針交換が必須となります。ますます年数が過ぎればオールトリチウムの個体は減るでしょう。
そんな中、オールトリチウムでギャラの付いた個体は非常に注目が集まり現在でも高年式モデルよりも高額で取り扱われています。
もうヴィンテージウォッチとしてプレミアがついている状態ですね。
良い個体があれば今のうちに購入する事をお勧めします。
まとめ
意外とトリチウムの見分け方は簡単だと思います。
特殊な道具もブラックライトだけなのでコストをかける事なく見抜く事が可能だと思います。
この見分ける技術は買取りにおいても1990年~1995年頃の時計を取り扱う際は必須項目と言えるでしょう。
買取り価格も何万も変わりますからミスは許されません。
本当に不安な場合はメーカーで確認するのも一つの方法です。
皆でヴィンテージ「トリチウム」の個体を盛り上げていきましょう。